もう夏時間     小堺 高志  2010年、3月16日

 

今週末からカリフォルニアは時計の針を1時間早め夏時間になる。

12日の金曜日マンモスに向かう。今回は佐野さんが行かないので、原ちゃん、菊池さんに、前に参加したことのあるスノーボーダーのともこちゃん。向うには嘉藤さんが来ているはず。

 

原ちゃんと食事をしたあと、ビールを買って、405号と10号の近くでともこちゃんを拾い、午後8時、マンモスに向かう。今日は闇夜で空の星が綺麗に見える。ロンパイについて、1時間先を行く菊地さんに連絡すると「掲示板でまたビショップの先は雪でチェン規制しているようです」との連絡。ここはまだ星空であるが、今週末のマンモスの天気予報は金曜夜から土曜は雪である。

 

ビショップを超えると雪が降り始めた。宿のシャモニーに着いた菊池さんによると395号線を下りるあたりから、道路にかなり雪が積もっているそうだ。最初は湿った雪でおそらくこの程度ならチェーンをつけずに何とかシャモニーまでいけそうであるが、街中からシャモニーまでは登り坂なので、道路の凍結具合をみて、判断しなければならない。

 

街中にはいると 結構な吹雪である。でも道路の雪は降りたてで、凍結してないので大丈夫そうである。シャモニーへの坂を途中で止まらないように一定の速度で走りきって、駐車場についた。前回ほどではないが、20cmほどの新雪が積もっている。

到着は午前1時、それからビールを飲みながら原ちゃんが持ってきたDVDで映画を一本観て、就寝したのは3時であった。



前回に続き、今回も雪中到着
 

翌朝、7時には眼が覚めた。外は曇っている。

9時、後で来ると言う原ちゃんを置いてゲレンデに行く頃になると青空が出てきた。晴れ男の威力か。さらにスノーボードをレンタルするともこちゃんを置いて菊地さんとゲレンデにでる。

キャニオンエクスプレスのリフトのラインが長いので、今回も初心者用のコースから入って5番リフトへ。30cmくらいの雪が積もっている。リフト右側のまだ新雪の残る斜面にはいっていく。いくぶん重くて粉雪を舞いながらと言う訳にはいかない。足に力を入れて滑らなければならないので疲れる滑りになる。

今季のマンモスはよく降るが雪が湿っていて本当のパウダースノーにはなかなかお目にかかれない。それでも新雪は嬉しいので大勢のスキーヤーが来ている。山頂はまだ開いていないため下のリフトは何処も長いラインである。

 

スタンピーのリフトラインに並んでいると嘉藤さんが我々を見つけて声をかけてきた。「それでは昼に、マッコイで」と言うと「今日は奥さんも一緒で犬を連れてきているので車の中で昼食をとります」とのこと。

 

そこで私はシャモニーに停めた車のウインドーに駐車許可証を下げるのを忘れていたことに気づく。うちのコンドはキャニオンロッジの駐車場からすぐである。スキー場の駐車スペースはすぐに一杯になるのでシャモニーの駐車場にそんな外部の者が駐車しないように宿泊者の車は許可証を表示していないといけない。実際私も忘れて一度牽引されて$150ほど取られたことがあるので、一度コンドに戻ってくることにする。

スタンピーの斜面を一気に滑り下りる。気持ちよく良い滑りができている。さらにゴールドラッシュから22番の方に少しカットして急斜面を滑り降りる。これまた気持ち良い滑りである。アクトに軽い瘤が出来ている。これを一気に滑り降りる。他のスキーヤーの視線を感じる絶好調の滑りである。


翌日からは、願い通りの快晴

 

キャニオンロッジからシャモニーにスキー靴のまま歩く、たいした距離でないが道路が凍っているとこもあり、歩き難い。11時ごろ部屋に入るともう原ちゃんは居なかった。駐車許可証をウインドーの見える位置にかけてゲレンデにとって返す。朝ほどではないが長いリフトラインに並んでマッコイをめざす。5番リフトの降り口から右にトラバスしていくのが一番の近道であるが今朝はまだ開いていなかったその近道が開いている。しかし5番リフトに乗って降りたとたんに理由はわからないが係員がマッコイ方面のコースにロープを張っている。これが使えたら12時にはマッコイにいけたのに、またスタンピーまで下りなければならない。5番を滑ると気温の急上昇で先ほどとはすでに雪質がかわっている。荒れた斜面の凸凹は雪に乗るという感じではなく、踏んでも潰れないでスキーに振動として返ってくる、その振動は足に伝わり、さらに腰まで響いてくる。

スタンピーの長いラインに再び並んで、12時20分、マッコイの菊池さんに合流する。行きは早かったが、帰りは厳しい道であった。すでに菊池さんは二缶目のビールを飲んでいる。追いつかなければ。今日はビールとペットボトルに入れたワイン持参である。

そこにともこちゃんが着いた。一人でどうしているか心配だったが、「めちゃ気持ちよく滑っています」と言うのでよかった。

午後から一本3人で滑った後、菊地さんとやっとオープンした山頂に向かう。見た目より実際の雪は重かったが、それでも楽しめた。私は午前の絶好調の滑りと、この重い雪の中でのターンで体力を使いきってしまって、そこからはよれよれである。今日は疲れて言葉も少ない。
 

コンドに戻りジャグジーに行く。今日は15人くらい入っている。ジャグジーから見える風景は隣に今は使われていないプールと目の前にシャモニーのオフィスとリクレーション室、サウナの入る棟、その上に大きなアメリカ杉が青空にそびえる。建物の上をザ・ビレッジとキャニオンロッジを繋ぐゴンドラが行き来する。さらには22番リフトのかかる山の一部が見える。

 

今日の夕飯はトマト味のハンバーグと鶏肉のワイン煮である。

ハンバーグはすでに家でこねてきているので作るのはソースだけである。今回のハンバーグのソースは生のトマトと玉ねぎをチョップしてバターで炒め、白ワイン、塩、コショウ、蜂蜜、トマトケチャップで味付け。ハンバーグは熱したフライパンで片側に焦げ目をつけ、温度を中火にして反対側を炒めながら白ワインで蒸す。

鶏肉の白ワイン煮は横浜でレストランをやっている同級生、柳崎くんからもらったレセピでこれがまた、簡単なレセピをといったら、本当に簡単に「鶏肉、玉ねぎ、トマト、レモンをぶち切って、深鍋に投げ込んで煮る。塩コショウで濃い目に味付け、仕上げに白ワイン、もったいないから少しかける」。とめちゃくちゃ簡単なレセピあるが私には十分作り方は伝わった。私流に少しアレンジしてセロリも加え、もったいなくない白ワインをドボドボと1本ほどぶちまけてワイン煮にちかくする。これがなかなかイタリア風でいける物にしあがった。柳崎くん、レセピ有難う。

 

時計を1時間進めて眠りに付く。



ちょっと重いが、沢山の新雪

 日曜日は今日から夏時間、6時半に起きるとまだ外は暗いではないか。もう一度寝て7時半に起きる。今日は雲ひとつない快晴である。

9時15分、菊池さんとキャニオンエクスプレスからリフトに乗る。昨日の混雑が嘘のように、今日のスキー場はがらがらでどのリフトもほとんど待ち時間がない。

グルームされた斜面は滑り易い。スタンピーのリフト乗り場で先に出ていたともこちゃんに会ったが、すぐにまた別行動、スキーとスノーボードでは滑るリズムが違うし、彼女はまだ初心者である。

フェースの裏表を滑り、23番リフトで山頂に行く。今日はコーニスがグルームされて滑り易そうに見えたが、実際は削られた下の固い雪と、新しく降った柔らかい雪とが混ざったあまり楽しめない雪質であった。

休まずに滑っているので疲れた時はスタンピーかマンボの中級者コースを流すのが楽で良い。フェースの裏側からウエストボールの瘤斜面にカットインする。滑り易い大きさの瘤であるが、やはり体力的には答える。上のリフトから嘉藤さんが声をかけてきたのがわかったが、滑るのに忙しくて答えるのは菊地さんに任せるが、後で聞けばその時、菊地さんは転んで答えられなかったそうだ。フェースリフトで上に戻ると、嘉藤さんの一団6名が写真を撮って、待っていた。

 

嘉藤さん、今回は嘉藤塾なる一団を引き連れている。1月の終わりにJBA(南カリフォルニア日系企業協会)が主催したマンモススキーツアーをした時に嘉藤さんが世話役として引率し、その時の有志数人がその後、嘉藤塾なる会を作り、2度ほどマンモスに来ているそうである。今回は嘉藤さん夫妻以外の4名の嘉藤塾のメンバーはいずれも始めてお会いする方たちである。我々はもうキャニオンロッジに戻らなければならない時間なので今回は挨拶だけでお別れしてドライクリークを下りる。そこからカットしてレッドウイングの瘤を滑る、疲れているがこのくらいの傾斜の瘤だと面白く責められる。我々の良く滑る瘤斜面を難易度でランク付けするとここのレッドウイングが一番簡単で、次がアクト、そしてやはりウエストボールの瘤が一番深くて、斜面も長く難しい。まだ少し時間があるのでもう一度8番で同じレッドウイングの斜面に戻る。菊池さんなかなか瘤の滑りが上手くなっている。今日の最後はキャニオンエクスプレスのリフトに乗り、どこを下りるか菊池さんにコース選択を任せると、昨日の最後に滑ったキャニオンエクスプレスのリフト下の斜面を選んだ。何時もすべるアクトの斜面の隣、林の中の狭いコースである。

あまりこの斜面を滑る人はいないので荒れているが柔らかい雪で挑戦しがいのある面白い斜面であった。



日曜になると空いているゲレンデで気持ちよく滑られる
 

休み無く滑ったので今日も半日でかなり滑っている。

ロッカールームで靴を履きかえ、スキーを担いでシャモニーに戻る。おや?原ちゃんがまだ戻っていない。そこでキャニオンロッジのロッカールームに手袋を忘れてきたのに気づいて車で取りに戻る。ロッカールームに入ると原ちゃんとともこちゃんがちょうどあがって来ていた。二人にとっては、車でお迎えに来てもらってラッキーであるが、私は手袋がない。ロスト&ファウンドに行くとラッキーにも届けてくれっていた人がいた。世の中、親切な人も居るのである。二人を車に乗せてシャモニーに戻り、掃除と昼食の用意を手際よく進める。手際はマンモスに通うほどに、どんどんよくなるのである。

 

今回も天候に恵まれ、楽しいスキーができた。雪山に見送られて南へと走る。

夏時間になっても、まだ雪は降るしスキーシーズンは続く。

明日からは、いつもより1時間早起きして仕事である。


目の前でこけたともちゃん,         ドライクリークの谷を上から見る