11/16/01
マンモスに初すべりに行ってきました。
今の季節になると子供の頃みた、夢のような美しいブナ林での初雪を思い出します。小学校5年生であった私はその年から3年間、教員である父の勤務の都合で父の実家に住み、山の上のブナ林の中にある学校に通っていました。紅葉の真っ盛りの季節、明け方に突然うっすらと初雪が降った寒い朝でした。
通学の時間には、からりと晴れて青空が出て太陽があたりを照らしていました。いつものように裏道を通って学校に向かう小道を行くと、その日まだ誰も通っていないブナ林の中でこんな美しい風景があるのかと思う一瞬にめぐり合いました。
青空を背景に一面見事な紅葉。ブナの林の中、漆、もみじ、いちょう、等々それぞれが競い合うように一番美しい色を出し、地面はそれらの様々な色彩の落ち葉と、そしてそれを優しく淡く覆う初雪で例えようのない美しさでした。朝日に照らされいつも通る場所がこの世のものと思えない美しい風景を織り成していました。思わずそこに立ち止まり、自然が造った一瞬の絶景に圧倒されたものでした。あの感動は今でも鮮明に覚えています。
その後、3年間毎日通った同じ場所で二度とあのように完成された色彩の風景には出会えませんでした。あれはあの場所でも100年に一度あるかないかの自然が造った一瞬の芸術だったのだと思っています。その数年後その場所は舗装された道が切られ、すっかり変わってしまい、あの自然のキャンパスも永遠になくなってしまいました。