母猫の愛    2005年11月4日

最近よく野良猫が庭に来て、家の猫たちが外を見て騒いでいる。10月最後の日曜日昼近く、それとなく庭のベンジャミンの木の根元を見たら其処に4匹の生まれて3週間くらいと思われる子猫を見つけた。4匹は逃げることもなく固まってこちらを見上げていた。2匹は黒で2匹は青灰色、尻尾を入れないで15センチくらいの大きさか。シダに囲まれた木の幹と塀のコーナーにちょうど隠れられるくらいのスペースがある。先日、木の枝落しをした時には居なかったから、どこかで産み落として、ここ数日の間に母猫が連れて来たようだ。
 

   

実は今年の春にもコンプレックスの中に5匹の子猫が居て、いつの間にかいなくなったが同じ母親である。

さて、この子猫たちをどうしたものか、取り敢えず裏手のユニットに猫好きのおばさんが住んでいるので彼女にどうしたら良いか相談に行った。彼女は今までも何度か野良猫の世話をして、この母猫も捕まえて避妊手術を受けさせようとトラップを仕掛けるが、どうしても中に入ってくれないのだという。この母猫にも餌をあげていて、この子猫たちも数日前まで彼女のところの庭にいたそうだ。自分で餌を食べられるようになったら捕まえようと思っていた矢先に子猫がいなくなり心配していたところだったそうである。猫好きの人が分かるのか今度は私の家の庭に子猫を隠して住処にしようと思ったようである。

母猫が戻らない間に彼女の持ってきた籠に子猫をいれる。実際に手に持って見ると、まだ外敵の怖さを知らないのか、おばさんが小さなときから話しかけていたせいか、大人しく持たれている。柔らかな良く手入れされた毛に5センチくらいの筆のような尻尾が本当に可愛い。世の中には2種類の人種がいる。猫好きと猫嫌いである。猫嫌いという人はほとんど、猫の可愛さに接したことがない人である。この子猫を見たら世の中にこんなに可愛い生き物は居ないと思える人が増えると思う。

飼い猫は野良猫より寿命が3−4倍長いのである。母猫には悪いが野良猫として厳しい自然の中で短い一生を終わるより、ここで捕まって貰い手を探してもらう方がはるかに安全で幸せな猫生を送れるので猫おばさんに後を託すことにした。

 

外食から帰ると家の庭に母猫が来て悲しそうな声で子猫を呼んでいる。人の言葉がわかれば「子猫は保護されて貰い手を捜してもらっているんだよ」と伝えたいのであるが、急に4匹の子供が居なくなった母親の悲しみはいかばかりのものか。

それから、まもなく1週間になろうとしている。その後も頻繁に、胸を裂くばかりの母猫の子猫を呼ぶ声が聞こえるのである。親が子を思い愛する気持ちはすべての生き物が持つ本能である。母猫の愛情はきっと子猫に伝わっていることだろう。子猫ちゃんには母猫の分も幸せな猫生が待っているに違いないと思うのである。

 

ロサンジェルス界隈に住む方で子猫を飼ってくれる方が居たらご連絡ください。

 

小堺