2006年12月17日 小堺高志
久しぶりに
彼との出会いは思い起こせば今から31年前、私が学生の時アルバイトをしていたビバリーヒルスのお膝元センチョリーシティーにあった当時アメリカで一番大きな高級日本食レストラン「大和」に、バスボーイの新人として入って来たのが彼であった。客に出す水を用意していた私の横に来て「
日本で、あるいはロスに住むようになって何人か親友と言える友達がいたが、今はなかなか会う機会がない。そんな環太平洋の私の友人関係の仲で
スキーは一緒に滑る仲間がいてこそ、楽しく続けられるのであり、彼なくしては私のスキー人生も、これほど長く充実して続いていなかった事であろう。
今回は暖冬で自然の雪に恵まれないマンモスが、どのくらいお金をかけて人口雪を造っているかクリスマス休暇前の偵察のようなものである。
早めに仕事を切り上げ、4時にはサンタモニカに向かっていた。
今回は
予報に因ればマンモスは今夜から待望の雪が降り始め、日曜までに1フィートほどの雪が積もるはずである。しかしマンモスに近づいても空には星が輝いている。「天気予報を信じ、チェーンを履くつもりで来ているのに、なんだ!この天候は」と、がっかりしながらシャモニーに10時半には着いていた。
朝、ゲレンデに出ると青空が出て良い天気である、しかし風が強くて寒い。車を駐車すると前回は開いていなかった目の前のスタンプアレイと、山頂からのコニースが開いている。何本か滑ってみると風のため表面の雪が飛ばされ、下の凍った雪面が出ていてかなり滑り難い。「原ちゃんがいると、もう休みが入っている頃だね」我々の中では一番若いのに、最近の原ちゃんは休憩が多く、体力が付いてこないようである。「そろそろ、もう少し動きの良い若い奴を探すかね?」と半分冗談で
午後1時半にあがってタウンにあるロビンのスキーショップに行く。ロビンは嘉藤さんが紹介してくれたマンモスの街中にスキーショップを持つオーストリア人で、ストックリのスキーを取り寄せてもらった。前回来た時に支払いを済ませ、先日、スキーブーツを買ったのでバインダーを取り付けてもらい、今日はバインダーの調整をしてスキーをピックアップすることになっている。靴はレドンドビーチの専門店で買ったロシニョールのインテンス I14,最初に履いた時のフィット感が気に入ったが、加熱してインナーブーツを自分の足に合うように形をカスタムメードすると更にフィット感が増した。その靴を持ってロビンの店でバインダーの調整をしてもらう。ストックリのスピリットというスキーで長さは短く158cmしかない。ストックリはスイスのメーカーで一本一本手作りのスキーであるため生産数が少なく、ディーラーも少ない。その中でも人気のスピリットは嘉藤さんお勧めのオールマウンテン用のスキーである。早くニュースキーを履きたいが、まだ雪量が十分でなくゲレンデは時たま石ころが転がっていたりするので、ニュースキーを履けるのはクリスマスの時かと思っている。そのためにも早く自然の雪が降ってもらいたいのである。
天気予報はよく外れる。昨夜から降ると聞いていた雪はまだ降らない。そして予報はいつの間にか雪が降り始めるのは土曜午後6時からと変ってきている。夕方ジャグジーに入っていると、その一日遅れの雪がパラパラと降り出して来た。食後
午後から天候が崩れ 、夕方から雪に成ったが直ぐに止んだ
翌朝、4時くらいに外を見ると我が眼を疑う。いつの間にか、かなりの雪が積もっている。昨夜は久しぶりにシャンペン、日本酒をかなり飲んで、テレビを見ながら気持良くうたた寝し、結局そのまま寝てしまった。
外に出ると30cmほどの新雪が車を覆っている。車の雪を払い、この雪ならニュースキーを使ってみようと気合がはいる。
歩いて行けるキャニオンロッジが開いていないのでシャトルバスを使ってメインロッジに行こうと思ったが、この時期シャモニーの前を通るシャトルはまだ1時間に一本しかない。結局私の車にチェーンを履かせ、スタンプアレイのリフト乗り場まで行きゲレンデにでる。ここで新しいスキーを履いてみる。今までのフォルクルスーパースポーツ6スターも良いスキーであったが、ちょっと重くて硬いのが欠点であったが、このストックリは軽く柔らかい。最初はこのスキー板の特性を見るためにいろいろ試しながら滑る。目の前のには昨夜積もった10インチの新雪がある。少し風が強いが、マンモスには珍しく全面グルームしてない積もったままの状態である。このスピリットはその長さと幅から、深雪の中でどのくらいの浮力があるのかが私の一番の不安であった。新雪のスタンプアレイの斜面を降りてみると深い雪の中でもかなり良い感じである事が分かる。これなら心配していた浮力もまったく問題ない。まだ試運転中であるが、私がこのスキーはどのくらい私の力量を引き出して反応してくれるのかを見ているように、スキーもまた主人である私がどのくらいスキーの持つ性能を使ってくれるのか見ているはずである。
ニュースキーとブーツ 佐野さんも出発準備
マンボというコースは下で二手に別れる。左に行くとメインロッジのあるブロードウェーに出る。右に行くとスタンプアレイである。
しかしこの話にはまだ続きがあった
11時半には上がって帰らなければならない。雪が降り続けており、視界が悪くなってきた。午前11時、
今度くる時には、もう少し十分な雪に恵まれているよう祈りながらマンモスを後に、雪道を帰路に付く。
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